
尿石症とは、泌尿器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)に結石ができることで、閉塞、炎症が起こる症状を言います。それらの中でも特に膀胱、尿道結石が多く発生します。
犬の場合、1mmから大きいものでは5cmほどの大きさの、肉眼で見える結石や、肉眼ではわかりにくい砂粒状の結石も見られます。どちらの場合も膀胱炎を起こす可能性が高く、頻尿、乏尿、残尿感、血尿といった症状が見られます。場合によっては、結石が尿道を閉塞すると、排尿できなくなり、尿毒症を起こして元気消失、嘔吐が見られることもあります。結石の種類には、リン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)、シュウ酸カルシウム結石、尿酸アンモニウム結石などがあります。このうち大部分はストラバイト結石で、この結石の場合、特殊な食事(処方食)で溶解することができます。当院でも直径2cmの結石をがんばって溶解したこともあります。
ストラバイト以外の結石は溶解できませんので、もしこれらが原因で排尿障害が起これば手術が必要です。
猫の場合、犬よりも尿石症になる割合がかなり高く、犬同様の結石があり、ストラバイト結石がダントツで多いです。猫では大きな結石ができることはまれで、ほとんどが砂粒症になります。ただし、オスではペニスの先端の一番狭くなったところに結石、膀胱の粘膜、血液がつまり、まったく排尿できなくなることがしばしばあります。この状態をほっておくと3日で死亡する事がありますので、排尿の形跡がない場合はすぐ獣医さんに行って下さい。
犬猫どちらにもいえることですが、膀胱炎になった場合、治療は抗生物質、処方食がメインになり、場合によっては手術が必要です。特に大切なことは処方食が一番の薬だということです。処方食と水以外のものを与えると処方食の効果がなくなります。
他のおいしいものが一生食べられなくなるのは残念ですが、 飼い主さんが病気のことをしっかり理解して、治療に臨んであげてください。逆においしいものをちらつかせるのは目の毒で、ペットたちにつらい思いをさせるだけです。
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