長良動物病院

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■ここでは、ペットに関する病気と予防についての詳細をお届けいたします。
メスに多い病気 (1)子宮蓄膿症 [2002/10/23]  

犬猫とも言えることですが、メスで多い成人病に子宮蓄膿症があります。その名のとおり子宮の中に膿がたまることですが、場合によっては致死的な病気です。初めは嚢胞性子宮内膜過形成という状態から始まり、そこに膣に常在する細菌から感染を受け、膿がたまってきます。怖いのはその細菌から出るエンドトキシンという毒素で、 これらが全身にまわることで症状が悪化します。子宮蓄膿症は特に生理後1〜2ヶ月目に起こりやすいと言われています。

初めは何となく元気食欲がない、という症状から始まり、多飲多尿、嘔吐、下痢といった症状が見られます。最終的には腎不全、ショックを起こし死亡します。診断は陰部からの膿の排泄、超音波検査で行います。子宮内に液体がたまっているのがわかります。

治療は手術しかありません。することは避妊手術と同じ卵巣子宮全摘出術ですが、一般状態が悪い分、健康な状態でする避妊手術とは違いリスクがかなり増します。手術がうまくいっても術後にショックを起こし、急性腎不全、急性肺水腫になることがあるので、管理が必要です。当院では何も問題なくても最低3日間は入院させます。子宮蓄膿症は腎不全、肝不全、心不全などの合併症がない限り、治癒率の高いものですので、早めの手術がよい結果につながります。子供を産んでいないにもかかわらずオッパイが張る想像妊娠を繰り返していたり、 肥満気味のワンちゃんは特に子宮蓄膿症が多いようです。日頃からの観察、食事管理も重要です。

しかし、一番よいのは避妊手術を生後2歳までの若いうちにしておくことです。初めから子供を産ませるつもりがなければ、後述する乳腺腫瘍とあわせて予防することができるので避妊手術をするとよいでしょう。1回子供を産めば病気になりにくいとは一概には言えません。たしかに生理のたびに出産している子はこの病気にはなりにくいですが、1回産んだだけでは産んでいない子と大差はないのでこういう迷信は信じないようにしましょう。

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